なくなった木とあたらしい風景

地元の駅のロータリーに植えられていた街路樹。

この木のことを気にかけていたひとがどれくらいいるかわからないが、この木にはムクドリがよくとまり、地面にフンを落としていた。

それでもわたしは信号待ちの横でさわさわと揺れるこの木が好きだった。

しかし突然この木は姿を消してしまった。

植わっていたところにはコンクリートが流されていた。

一方的で暴力的な行為に一瞬怒りすら覚えたが、一本の木がなくなっただけで風景は信じられないほどひらけていた。

木がなくなったさみしさと風景がひらけたさわやかな気持ちがこんがらがって、わたしはしばらくそこにたっていた。

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