くるま

知り合いからくるまをもらってから一ヶ月ほどたった。

もらったくるまは僕と同い年の年式であちこち痛んでボロボロの軽トラック。

オンボロでしかもマニュアル車ということもあって試運転を何度も重ねてやっと家の近くまで乗ってくることができた。

しかしその翌朝エンジンがかからなくなり、保険会社に連絡してレッカー車を呼んでもらった。

レッカー車がくるまでの二時間ほど、あほみたいに晴れた空の下ぼーっと過ごした。

昨日あんなに軽快に動いていたのがうそみたいに動かない。

その事実が受け入れられない、というかあまり現実感がなかった。

レッカーされて行く様を僕は他人事のように見ていた。

その様はもうくるまのかたちをしたおもちゃのようだった。

二週間ほどの修理がおわり、つい先日かえってきてからはまた快調にエンジン音をならし、ガタガタゆれながら走っている。

運転しているとたまにあのレッカーされていく無様な姿を思い出す。

横を通りぎていくかっこいいくるまたちも、僕のこっけいなくるまも同じくるまなんだと思うと妙な気分になり笑えてくる。